2-1.さぁて、人としての心を取り戻しましょうか

「心機一転」のイラスト(女性)

現代の多くの人間社会は、もちろん、大自然の世界とは異なります。人も生物で動物で、その心は大自然の中で長い進化の時間を経てつちかわれてきたものですので、急速に発展した今の人間社会にピッタリと適したものでは決してありません。

進化にかかる時間の長さと文明社会と呼べる時代になってからの歴史の短さとを考えれば、きっと人間の心はまだその多くの部分が、「野生の中で本能のままに生きる用の仕様」にできています。

だからと言って、デンジャーな野生の中で実際に生きることが今の私たちの生活よりも総じて幸せであるとは全然言えないのでしょうが、「自然とともに生きていた原始の人の心が今の私たちの心の中にも確実にある」ということを自覚しておくことは、動物である人間が、動物にとっては不自然な現代社会を生きていく上で大きく役立ちます。

そして、「大自然にはなく現代の人間社会にあるものの中で、特に人の心に強い影響を与えてしまうもの」の種類とその性質を知り、それらに対しての心構え・扱い方の心持ちのようなものを知り、自覚し、意識し続けることで、人としての心を保ちやすくしたり、ゆがんでしまった人間の心を元に近い自然な形に近づけていくこともできます。